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日記


2008年11月16日(Sun)

レバレッジ人脈術

本田直之の『レバレッジ人脈術』を読む。内容は、人脈の作り方、育て方。キーワードは「コントリビューション(貢献)」。信頼関係を築くことが大事。長期的視野が必要。評価★★★★☆。

部署移動して、今の開発テーマの仕事で権限が増え、仕事関係での「人脈」の広がりを感じ、これが面白い。初対面では、お互い半信半疑的なとこがあるが、何度かやりとりをしているうちに、「信頼関係」が築かれていくのを感じる。「Win-Win」の関係を目指し、お互いハッピーになるのが理想。そのためには、短期成果ではなく、著者がいう「コントリビューション(貢献)」を続け、段階的に「信頼関係を構築」する。その結果、数年後に互いに大きなリターンが得られる案件が発生するのだろう。

「ビジネス」とはまさに「人」であり、「個人人脈」が重要なんだということがを最近すごく実感している。日本の世の中は、物事が簡単に進むような、そんなに完成されたシステムがあるわけではなく、「会社-会社の関係」と同時に、「個人-個人の関係」がビジネスにおいて成功できるかどうかの鍵を握る重要な要素を占めている。前者の関係は学生でも想像がつくと思うが、後者の関係は実際に実社会で権限を持ってビジネスに携わってみないとわからないと思う。

ここで、相手先(顧客、業者)からいかにして「信用を得るか」ということになるが、これは、やはり今はやりの「人間力」だろう。「仕事の能力」もあるが、それ以前に「人としてどうなのか」。これは顧客との関係とともに、上司と部下の関係にもあてはまる。部下から信頼を得られない上司は、顧客からも「信頼」を得られるわけがない。従って、このような上司はビジネスで「成功」という結果を出せるわけがないの自明の理である。

【レバレッジ人脈術語録】
・私たちは常に「他人に依存」している。自分一人では何もできない。何をするにしても人とのつながりが不可欠。「人脈づくり」こそが最強の投資なのだ。

・「いかにして相手の役に立つか」に思いを致さなければ、豊饒な人脈は築けない。「頼むより、頼まれる人」になる。人脈づくりはここから始めよう(大前研一)。

・私の考える人脈とは、情報を交換したり、人を紹介したり、刺激しあったりして、一緒に成長していけるようなマインドの高い仲間のことだ。

・私がもっとも大切にしているのは「コントリビューション(貢献)」だ。人に会うときは、まず「この人に対して自分はどんな貢献ができるか」を考える。

・重要なのは、貢献を通じて相手のことをよく知り、じっくり信頼関係を築いていくこと。時間はかかるが、それを積み重ねることで、結果として最後に大きなリターンを得る。

・世の中の人は一年でできることを多く見積もり過ぎている。一方、五年でできることを少なく見積もり過ぎている(P.F.ドラッカー)

・人脈は、コントリビューション(貢献)を続けていれば、自然に広がっていくもの。


2008年11月15日(Sat)

ニッポンの評判

新書での今井佐緒里編『ニッポンの評判』を読む。世界17ヶ国からの「日本の評判」の現地レポート。評価★★★★☆。クールジャパン。サブカルチャーの威力。寿司を代表とする和食。壊れない電気製品・車。面白いテレビドラマ。英語となった「HENTAI」「BUKKAKE」「GOKKUN」に代表されるAVソフト。ブラジル移民。・・など。

オーストアリア、ロサンゼルス、イタリア、ブラジル、マレーシア、トルコ、トンガ、シンガポール、オランダ、ドバイ、ニュージーランド、フィンランド、イラン、ドイツ、イタリア、ウィーン、イギリス、フランスと各国からのレポートが続く。

新書で手軽に世界からの視点で「日本」を知れるので、これは面白い。これを読んだら、皆さん日本を見直して、「やるじゃないか、日本」と好きになり、ある意味「愛国心」が湧くかも。

全般的な印象として、日本は世界に対してこれまでに日本人が築いた「信頼」という強みを持っており、文化では、「和食」「アニメ」が日本で知られている以上に世界を圧巻しており、これらのいいイメージが「ニッポンの評判」のベースになっているようだ。これを生み出したのは「民高政低」と言われる民間人の努力の賜物。決して、政治力が高くて尊敬されているわけではない。

日本にいるだけでは「視野」は狭くなる。世界に出ることで、色々なことが見えてくるんだろうなぁ、と思う。はやく世界に出たい!

【ニッポンの評判語録】

・与えた仕事をどのくらいの時間で終えるか、大体の時間を示すことによって、「ものすごく時間をかけて重箱の隅をつつくような仕事の仕方」を避けさせることができる。

・会社のことを「SAME BOAT」と表現する。会社で働く仲間は同じ船に乗っている。円滑な職場を作り、従業員の能力を伸ばすことが大切だと気付いた。そのためには、笑顔を絶やさず、忍耐強く、物事に動じない態度を保つ。日本式マネジメントから学んだ「調和と寛容の精神」。

・「信頼できる」ことが何より大事。

・日本には、自分がやりたいことのできる「自由」がある。

・架空世界を作りだす日本人。狭い国土で狭い部屋に住み、自由になるのは頭の中だけ。学校や会社で自我を抑制されるから、現実で不可能なことを架空の世界で作りあげる。

・イタリアでは、すべての基本が「家族」。「人生一回きり」ということを皆が自覚している。

・日本が「民高政低」なら、フランスは逆で「民低政高」である。

・フランスでは、日本文化は何でもかんでも「基本の思想は禅」と考えられているフシがある。日本のファッション、建築、オブジェは、装飾をそぎ落とし本質を表現したシンプルさの極み=「ミニマリズム」であると言われる。これが「禅の思想」というわけだ。


2008年11月14日(Fri)

製造業における変化

2008年度下期の製造業のトレンドは「半導体とくに携帯業界の大幅不振」「自動車業界の下降」。数年前および昨年までは花形産業だったこの二つの没落傾向が激しい。米国のビック3の落ちぶれは特に顕著。次は、プラズマはもちろんのこと、液晶のフラットディスプレイ業界を不況の波が襲う。

製造業界で「安泰」はない。長らく使用されてきたテレビのブラウン管産業も日本から姿を消したし、mp3全盛の御時勢でMDなんてもう誰も使わなくなる。

こうみると何だが暗い話ばかりに聞こえるが、研究開発の現場ではそういう訳でもない。新しい産業を作りだすためのテーマは、センス良く探せばいくらでもある。「太陽電池」「電気自動車=二次電池業界」。この二つだけでも、最終製品を作りだすための材料、製造装置、評価装置、販売形態まで含めるとこれから世の中で必要とされるであろう仕事は山のようにある(ハズ)。

しかし、まだ世の中で「〜業界」と形をなしていないものに、仕事として参入できるかどうかは、「経営者の先見の明」が必要だ。金になるとわかってから、参入しようとしても遅いのである。

【先見の明】事が起こる前にそれを見抜く見識

これは、社長や上司の発言する内容を聞いていたら、「この人は先見の明があるのか、ないのか」はわかる。少なくても、数年前に言っていた内容と、現状を比較すれば評価はできる。

では、この「先見の明」はどうやって鍛えられるのか。これは、やはりその人が、結果を出し続ける組織の一員として、「仕事を生み出すサイクル」に関わり、一連の流れを学ぶことで「先見の明」「事業センス」が磨かれるのではないだろうか。「一流大学を出ました君」「年功序列」だけでは、トップが務まる根拠にはならない。

この社長・上司としての「ビジネスセンス」について、前/現職場との比較でつくずく思う。

製造業には「変化」が絶対に必要。オバマ曰く「Change!」。「変化なきものは淘汰される」のが製造業の世界。そういう意味では、公務員は変化が少ないんじゃないかな、職員のモチベーションはどのように保つのかな、と半休をとって訪れた区役所で、事務手続きをする職員さんを見ながら思った。


2008年10月04日(Sat)

ジャーナリズム崩壊

上杉隆の『ジャーナリズム崩壊』を読む。NHK記者⇒政治秘書⇒ニューヨークタイムズ日本支社⇒フリーランス、という経歴のジャーナリスト(40歳)。日本の「記者クラブ制度」の弊害について解説し、「開放せよ」と主張する。日本の「記者クラブ制度」の(非)常識とニューヨークタイムズ時代の経験と比較が中心。評価★★★★☆。

確かに「最近新聞が面白くないなぁ」と思っており、この本に興味が湧いた。署名記事やコラムは面白いのがあるが、一般記事やさらには社説まで、面白くなく感じる。今にはじまったことではないと思うが、インターネット登場が、「新聞が面白くない」と感じるさせる一因であることは間違いない。

世の中で何が起こっているのかは、インターネットの速報記事や、テレビのニュース(全然みてないが)でさわりや概要は分かる。表面的なニュースではなく、その中身や背後にある事柄を知りたいという要求を新聞に求めていたが、これが満たされないので、「面白くない」と感じるのだろう。そもそも新聞に求めずに、雑誌や本に求めるべきなのか、ともこの本を読んで思った。

「記者クラブ」の問題においては、ここでも官僚組織の弊害の表れだ。「既得権益を守る」という点において、顕著だ。閉鎖体質、情報隠蔽、馴れ合い主義。読者志向ではないから、「読者=客」離れを起こすのは時間の問題だろう。

「権力を監視するというジャーナリズム精神」以前に、日本の大手新聞会社の記者は会社員である、というのは納得。高給料を保障されていたら、生活を犠牲にしてまで、権力を批判するという行動は生まれにくいだろう。

ブログを代表とするインターネットの時代に、これから「新聞がどのように変化できるかが」問われている。「変化無きものは、時代に淘汰される」ことは明白である。

■語録

【ニューヨークタイムズの一面】
All the News That's Fit to Print
(掲載に値するすべてのニュースを)

【ニューヨークタイムズの指針:Rules of the road】
・Embrace diversity.(多様な価値観を受け入れよ)
・Accept responsibility; delegate authority. (責任は受任すべし、だが権威は委任すべし)
・Maintain perspective and a sense of humor. (常に大局を捉え、ユーモアのセンスを忘れるな)
・Our journalistic work is sacrosanct.(ジャーナリズムは神聖不可侵なものと心得よ)
・Don't be a slave to budgets.(カネの亡者となるなかれ)

 


2008年09月20日(Sat)

フィンランド

堀内都喜子『フィンランド豊かさのメソッド』を読む。5年間留学した著者。フィンランドの文化、歴史、生活、教育がわかる。評価★★★★☆。

日本は国全体が「官僚体質化」の弊害があちこちで出て、機能不全に陥りかけている状態になっているが、フィンランドは「官僚体質」の対極にある考えが根付いており、また機能していると感じた。

官僚主義とは、社会学者ロバート・マートンの言葉をかりると、「事なかれ主義、形式主義、権威主義、秘密主義、自己保身、セクショナリズム 」である。

フィンランドの教育、産業、政治の力は、「脱官僚主義」から生まれているのではないだろうか。「効率化」「人間が穏やかに暮らせる社会」を両立している。ニュージーランドにも、似たような風土を感じる。

国とまでいかなくても、企業においても「脱官僚化」は改革の重要なキーワードだ。日本でも、うんざりしているサラリーマンは多いはず。「脱官僚化=働きやすい会社、生活しやすい社会」というイメージであり、「人間らしく」生活や仕事ができる社会を、一般人の手に取り戻したい。

【フィンランド豊かさのメソッド語録】
・教育で大切なことは、情報を与えることだけではない。自分で考える力、問題解決能力、想像力、理解力、適応力を養うことである。
・知識を与えるだけではなく、「その教科の楽しみ方」を教えることも教育では大切なのだ。
・いつも当たり前だと思っていたことが、異文化では当たり前とは限らない。
・不況回復に際しての「政治家の役割」は、国がいかに危機に瀕しているかということを国民に知らせ、それを克服するには「大きな変化、痛みが不可欠である」ということをわかってもらえるように説くことだし、そして状況を判断し、もっともふさわしいと言える決断を迅速に行うことだ(ヘイネノン氏/フィンランド政治家)


2008年09月10日(Wed)

至言

【至言(しげん)】事物の本質を適切に言い当てている言葉。

大学の時からだろうか。マイパソコンを持ってからだろうか。「至言」を探して収集する」のが趣味になった。新聞を読む時も、本を読む時も、映画を見るときも、人と話をするときも「至言」を探している。

映画や小説では、「人生」に関わる至言がポロっとでてくるし、その1〜2つが「主題」であったりする。新書やビジネス書では、仕事場で役立つ至言のオンパレード。それに共感⇒拾い集める時に喜びを感じる。

6+3+3+4+2年と18年という途方もなく長い学校教育(教室での授業)を受けたが、このときに吸収した「至言」はあまりない。出会っていたのかもしれないが、こちらが意識してなかったから、吸収されるはずもない。消化不良になっていたのかも。

大学のヨット部生活や自由時間が多かった研究室生活、働きだしてからの社会人生活になってから「至言」をたくさん得ている。「実体験」をし「共感」を伴うことで、はじめて「至言」と認識できるのだろう。

「何万回見ても、見えない人には見えない。関心を持つことで初めて見える」(小宮一慶『ビジネスマンのための「発見力」養成講座』)

これも「至言」ですね。

そういう訳で本日の「至言」は【アサーティブネス(Assertiveness)】攻撃的にも消極的にもならなずに自己主張すること。2箇所からの引用をまとめてみる。

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■アサーティブジャパン より

「アサーティブネス(Assertiveness)」の訳語は、「自己主張すること」。しかし、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではない。自分の要求や意見を、「相手の権利を侵害することなく」「誠実に」「率直に」「対等」に表現することを意味する。

アサーティブには、人と向き合いコミュニケーションを取るときの4つの大事な柱がある。「誠実」「率直」「対等」「自己責任」である。

日常生活の中でついとりがちな「アサーティブでない」コミュニケーションのパターンには、次の3つがある。

(1)人に食ってかかる攻撃的なタイプ(攻撃的)
(2)自己犠牲的で、ふみにじられても黙っているタイプ(受身的)
(3)攻撃性を隠して相手をコントロールするタイプ(作為的)

それに対して、「自分の気持ちと意見を誠実に、率直に、対等に伝えられるタイプ」を「アサーティブである」という。

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■勝間和代/be より

「攻撃的にも消極的にもならない」という「アサーティブ(assertive)」は、取引先との断続的かつ健全な関係を保つためにも有効である。我々は、お金を払うときに偉そうに振る舞い、逆にお金をもらうときには下手に出て、卑屈になっていないか。しかし、あくまでもお金というのは、相手に対する対価、すなわち感謝のしるしのようなものだ。「お金を払うときにこそ、相手を尊敬」しなければならない。同時に、正当なサービスや商品を相手に提供したときにもらう対価についても、下手にでる必要はない。すなわち、「取引先との関係において、上下関係はない」のである。

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どちらも、学生の時にはわからなかったかも。「自己主張=攻撃的」と考えている人は、身の回りにも多いし、自分も思い当たる節が多い。逆に、日本の一般的な教育では、「自己主張=悪」であり、協調性がたたきこまれるので、(2)の受身的な若手社員が多いのだろう。文句を言わずに働き、「過労死」の一因になっているのではないだろうか。お受験型日本教育の賜物だな。

アサーティブ(assertive)。職場、取引先との面談、家庭でこれを意識するのは、円滑なコミニケーションをする上で重要ですな。


2008年08月10日(Sun)

のぼうの城

父からかりた和田竜『のぼうの城』を読む。石田三成と戦う成田長親(のぼう様)の話。丹波、和泉、靭負、甲斐姫などの個性豊かな家臣達の活躍も面白かった。エンターティメント性抜群!著者の第2作の『忍びの国』も面白そうだ。

城主、現代社会でいうなら社長たるリーダーに最も必要な素質は、知力でも武力(腕力)でもなく「人望」である、ということをこの本は教えてくれる。

リーダーには、IQではなくEQ。「感情的知性」(EQ:emotional intelligence quotient)。もしくは、カルロスゴーン氏がよくいう「共感能力(empathy:理屈を超えて相手と心を通わせ合う力)」。こういうものが大事なのだ。

しかし、お受験競争社会の日本で、学校が教えるのはIQ能力かスポーツ能力の向上方法のみ。社会でより必要とされるEQや共感能力は、子供同士の遊びの中や大学のサークル活動などにおいて、システムとしてではなく、偶然身に付くものに委ねられている。

知識は豊富なのに、業績が全然あげられない上司は、「人望」「EQ」「共感能力」のいづれかに問題があるという図式はどこの会社・組織においてもでもあてはまるはずだ。

【のぼうの城名言】
・弱き者には強く、強き者には弱くでる。奴はそういう男だ。(⇒どこぞの上司ですな)
・有能なる者、敵には無能を示せ



切って出し日記 Ver2.3 CGI-PLANT