■■ 徒然書 ■■  2003年

  11月  
 

■2003年11月29日 (土):フォトニック結晶 

木、金は丸一日、土曜日も午前中とここ3日間、集中講義があった。テーマは「フォトニック結晶」で、講師は大高教授。大高教授はフォトニック結晶を世界で初めて提唱した人で、2年に一度徳島大学で講義してくれてるということだった。ということは4年の時に講義を受けているはずだが・・。記憶にないなぁ。難解な理論の講義かと思いきや、光の基礎的な話から始まり、非常にわかりやすかった。教えるのが巧い先生のようだ。「フォトニック結晶」は4年の時、輪講で一年間やったが、漠然とした知識しかなかった。今回、フォトニック結晶の話を「体系的」に聞け、今までモヤモヤとしていた部分がすっきりして良かった。特に、バンド構造でのDOS(状態密度)や群速度のイメージがつかめた。フォトニック結晶はすでに実用化の段階に入り、面発光レーザや光スイッチに使用されるそうだ。今後はフォトニック結晶を使った「negative refractive index(負の屈折率)」がさかんになるかもということだった。光の知識で食っていこうと思ったら(あくまで仮定)、やはり「マクスウェルの方程式」や「シュレデンガー方程式」を使いこなせなくてはいけないなぁ。さらにプラズモンだったら「ミーの散乱理論」やら・・。うーむ、難解、ホークス、道険し。


■2003年11月23日 (日):ラグビーW杯決勝 

いよいよラグビーW杯も決勝を向かえた。深夜放送だったので、VAVAVA・VAN君にビデオでとってもらう。なんせテレビ大阪19chはうちで映らないので(彼とこはケーブルテレビだ)。日曜日の朝、彼とこにビデオをとりに行き、ドキドキしながら家で観戦。決勝の対戦は、「2連覇を狙う地元」オーストラリア対「前評判で優勝候補筆頭の」イングランド。 前半は豪州の見事なキックパスによるトライで先制したが、イングランドの名キッカ−SO(スタンドオフ)のウィルキンソンがPGで着実に点を重ね逆転。前半はイングランドリードの14-5。「やはり前評判どうりイングランドの優勝か〜」と、すんなり終わるのかと思った。しかし、ここから劇的なゲーム展開に! 後半、イングランドはトライを決めるものの、オーストラリアが猛反撃。終了間際にPGを決め17−17の同点。なんと延長戦に突入した。 延長戦は前後半各10分。イングランドが先にPGを決めるものの、再びオーストライアがPGで同点!すごい試合だ!こんな面白い決勝になるとは!かなり興奮。歴史に残る名試合になるだろう。そして、再延長かと思われた終了間際に、天才キッカー・ウィルキンソがDGを決めた!しかも利き足とは逆の右足で!そして、20-17でノーサイド。凄い均衡した試合展開で、最後も劇的だった。イングランドは初優勝で、北半球に初めて優勝杯の「エリス・カップ」をもたらした。これまで、NZ-豪州-南アフリカ-豪州と優勝はすべて南半球の国だった。これまた歴史的な出来事だ。MVPはもちろん大活躍のウィルキンソ(24)。以外と若い。ベッカムとCMに出てて話題になっていた。個人的にはNZのオールブラックスに優勝してほしかった。4年後の次回(2007年)は開催はフランスだそうだ。そして、その次(2011年)は日本で開催という話も進んでいる。ぜひそうなってほしい。楽しみだ!


■2003年11月21日 (金):新研究所建設

ネットでうちの会社の情報を探していたら、「新研究所を建設することを決めた!イエ〜イ!」というニュースがあった。記事の一部↓
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2005年4月に着工し、翌年6月に完成する予定で、太陽電池などエネルギー関連などの戦略商品の開発拠点とする。現在の研究所が老朽化したため新築、移転する。計画では、5階建て(延べ床面積1万2000平方メートル)の研究棟を設ける。総工費30億円。建物本体に24億5000万円、付帯設備に5億5000万円を投じる。現在の研究所棟は1937年に開設、その後二回増設した。現状より50人研究員を増強して200人体制とする。太陽電池やポリマー電池などエネルギー関連をはじめ、生分解性の界面活性剤など環境保護関連、バイオ関連など幅広い研究開発を手がける方針。
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3次選考のとき場所は研究所だった。昔のつくりで結構古かったから、いつかは立て直すんちゃうかなぁと思ったが、こういう展開になるとは!運が向いてきたかな。徳島大学に入学した1998年の4月には、ちょうど明石大橋大橋が開通して、関西との行き来が高速バスになり便利になった。それまでは、瀬戸大橋まわりのJRか、大阪や和歌山からフェリーもしくは高速船だった。どちらも料金も時間もかかった。大学の光応用棟はできたてだったし、工学部全体もちょうど全面改築期間だった(これは2004年度国立大学の独立法人化前の駆け込み工事という噂もある。しかし、当初の予定ではとっくに工事は完了しているはずだが、予算の削減があいついで、完成時期が大幅に遅れている、という話もどっかで聞いた)。 まあ要は、このニュースで「やる気が著しくでてきたな」ということだ。


■2003年11月20日 (木):龍谷大学2

学会第三弾。2日の今日は9時から始まるので、7時半に実家をでる。JRは当然通勤ラッショ。京都駅までは、ギュウギュウの満員列車。身動き一つとれなかったが、揺れてももたれかかっているのである意味楽かも。予備校時代の阪急電車を思いだすなぁ。徳島では体験できない。京都駅からの乗り換えで快速に乗ってしまい、瀬田駅は止まらず草津駅まで行ってしまった。各駅2駅引き返すはめに。駅から大学までバスで8分(210円)。開始ぎりぎり間に合った。今日の講演は太陽電池の「システム系」の話がメインだった。豊田中央研究所の「太陽光発電と水素生成システム」は燃料電池自動車の実用化に向けての研究だろう。このテーマは、日本ではまだあまり研究されていないらしい。休耕田を利用したらという話も面白かった。大同特殊鋼のドーム型フレネルレンズを使った「集光発電モジュール」では、効率28%、400倍になるらしい。使用するセルの面積が減り、コスト減になるというのが狙いだそうだ。なるほど。午後1時頃終わった。この講演会毎年この時期にあるらしい。来年は企業の研究者として参加しているであろうか。色素増感太陽電池の発表に占める割合が今後増えていくだろう。昼飯は瀬田駅前の「餃子の王将」で中華丼と餃子を食った。


■2003年11月19日 (水):龍谷大学

学会第二弾。「第11回高効率太陽電池および太陽光発電システムワークショップ」。場所は龍谷大学の瀬田キャンパスのRECホール。今日は午後からで、2日目の明日は朝からある。龍谷大学(文系)は京都の深草にあるが、理工系は滋賀の瀬田にある。隣の南草津には立命館大学の理工学部がある。京都駅から4駅くらいなので、わりかし近い。昨日は化学系の学会(コロイドが中心)であったが、今回は物理系で「半導体」がメインになる。現在実用化されている太陽電池はほぼ100%がシリコンの半導体太陽電池である。種類は単結晶、多結晶、アモルファス、ハイブリット、Si以外の結晶である。今日の学会はNEDOの「太陽光発電技術開発プロジュエクト」の研究委託を受けているとこが研究報告する場のようだった。日本の太陽電池研究開発の最先端の話がまとめて聞けた。シャープ、京セラ、昭和シェル、鐘淵化学など。それぞれ得意分野があり、高効率化、量産化、低コスト化のために色々取り組んでいる。結晶の表面加工の話が多かった。しかし、半導体太陽電池は成熟分野のようだった。少々発電効率上がることはあっても、劇的なアップやコスト化は難しいだろう。それに対して、化学系太陽電池が次世代太陽電池だ。「色素増感太陽電池」は産業技術研究所・光反応制御センターの荒川裕則さんの講演があった。 これもNEDOの委託研究プロジュエクトで、住友大阪セメント、古河機械金属、林原生物化学研究所もこれに加わっている。酸化物半導体光電極(TiO2など)、増感色素、電解質溶液などの最適化が課題で、光電変換効率11%(世界最高値)が目標、今回は10.5%以上を達成したということだった。金属錯体のルテニウム色素は、従来ブラック・ダイ色素、N719色素に変わるものとして「テルピリジンβ-ジケトナート色素」を開発。8.2〜9.0%。安価に製造できる有機色素はポリエン系やクマリン系色素で最高7.7%を達成したということだった。やはりシリコン系太陽電池の話よりも、色素増感太陽電池の話の方が興味あるぶん面白い。大御所から「昔、アモルファスは結晶系を駆除すると言われたが、伸び悩んだ。有機太陽電池も二の轍を踏まないように」という忠告みたいな発言もあった。昨日も今日も「ナノテクのナの字」もでてこなかった。「ナノテクの太陽電池への導入」にまだ開発の余地が大きくあるのではないだろうか。講演後、RECホールの1階の食堂で懇親会。東京農工大の院生3人と話して、車できていたので瀬田駅まで送ってもらった。参加費は学生5000円、一般8000円(懇親会費込み)ナリ。


■2003年11月18日 (水):関西コロイド

学会第一弾。「第8回関西コロイド・界面実践講座」に参加。参加費は学生1000円(一般7000円、会員5000円)ナリ。場所は大阪駅前第2ビル。6階のフロアーが「大阪市立大学文化交流文化センター」になっていてた。こういう小規模の学会は参加者名簿が配られるから、どんな人がきているかがわかる。参加者は65人ほどで、8割は企業の人だった。今回のテーマは「グリーンエネルギー用材料の技術と展示」ってことだが、村田製作所など、これまでは異種分野と思われる企業の人の参加が目立った。また、タイトルは「グリーン」と「クリーン」をかけているのだろうか。私服姿の人間は自分だけで、後は全員スーツ。なんか目立つなぁ。学生であることがバレバレ。トップバッターは日立マクセルの「色素増感太陽電池のフィルム化」の話。これが目当てといえば目当て。カレンダプレスによるDSCのフィルム化で屋内用途を目指している。発電効率は5.2%。ゲル電解質は液状と同等以上の光電変換特性。変換効率を上げるには(1)色素(2)TiO2の形状が重要だろうということだった。昼休みの展示でマクセルの人と少し話したが、開発は茨木の研究所で10人ほどでやっており、他とは協力無しに独自でやっているということだった。次は三洋電機の太陽電池の講演。単結晶とアモルファスのハイブリットというHIT(商品名)を中心にしているということだった。DSCの研究はまったくやっていないらしい。3講目はKRIという京都の会社の「ゾル−ゲル法」の話。これも聞きたい内容だった。なんせ修論でやっているのがゾル−ゲル法だからな。ゾル−ゲル法が日本発祥の技術だったとは知らなかった。さらに元素の60%以上にゾル−ゲル法が適用できるらしい。これからナノテクで重要な地位を占める作製法だ。エネルギー分野ではリチウム電池、色素増感型太陽電池、燃料電池、固体電解質への応用が考えられている。さらに、UV照射(エキシマレーザ)でゾル−ゲル膜を固める話もちょいでてきた。しかし、これは普通のゾルゲ−ル法の加水分解の方法では、室温では固まらないらしい。ビルの地下1階が大阪駅からつながる地下商店街になっていて、昼飯はたぬきそばを食った。午後の講演は「太陽光発電、固体電解質、燃料電池」の話だった。帰りに、大阪駅高架下のタコ焼屋に寄った。就職活動の時によく立ち寄っていた店だ。以前は中年のおじさんと若い女の子が焼いていたが、今回は20歳くらいの女の子3人だった。経営者が変わったのだろうか。残念ながら、タコ焼の味が落ちていた。


■2003年11月17日 (月):なんばパーク

梅田駅から地下鉄で4駅、大阪灘波の「なんばパーク」に行ってきた。南海ホークスが本拠地にしていた大阪球場跡に、最近できたやつだ。目的は「大阪ヌードルシティ」。全国の麺類の変り種や有名店が店をだしている。雰囲気は横浜のラーメン博物館みたいなかんじだった。入り口にはこんな人形があった。「平日だから人は少ないだろう」という考えは甘く、めちゃ人が多かった。休日やったら、とんでもないことになるな。人気があるとこは30分から1時間待ち。

すぐ食べれそうな店で、長野県伊那市の「ローメン」ってのが美味そうだったので食べた。焼きそばみたいなかんじで「やや太めのちじれ麺」と「甘めのソース」に特徴がある。なかなか美味かった。他にも、瓦そばやら、新潟イタリアンなど変わったものがあり、また来たい。

 

ローメン

最近、携帯会社のJフォンがボーダフォンに変わった。だから、それにともないメールアドレス変更のお知らせがたくさんくる。それにしても、メールで手軽に連絡がとりあえるのがいつの間にか当たり前になった。かつては想像もしなかった便利さだ。携帯で話すことができるようになった以上に便利かも。当初はPHSのPメールでカタカナ英数20文字しか送れなかった。大学2年生くらいかな、いやーなつかしい。一回10円ぐらいかかって、何回か送受信したら話した方が安かった。2、3年後にはどんな便利なことができていることやら。


■2003年11月16日 (日):キーウィ

来週に学会をハシゴする予定だったので、昨日京都に帰ってきた。今日は実家のキウイを収穫する。今年は温暖な夏だったせいか、庭にキーウィが大量にできた。100個ぐらいあるのではないだろうか。豊作だ。ちなみに去年はできなかったらしい。ハシゴとハサミを使って、大きい実からとっていく。

 

キーウィ

とりたての時はまだ固いが、林檎と一緒の箱へしまっておくと、熟して甘くなる。キーウイフルーツに似たキーウイという鳥もいる。NZの国鳥であり(たぶん)、NZ人は自分達のことをkiwi(キーウィ)という。 ヨットやラグビー用品で有名なメーカーの「カンタベリー」のマークはこのkiwi3羽だ。果物のキーウイは日本ではまだ害虫がおらんからよく育つ、と聞いたことがある。


■2003年11月12日 (水):鍋

英国に半年間留学していた研究室の同期(すすむ君)が帰ってきた。そこで、「帰国祝い」ってなことで、研究室のM2のメンバーで鍋をした。場所はタケモン家。鍋はタケシの電気鍋。英国土産でジンが一瓶あった。今日一日ではなくならんやろ、というのが大方の予想であったが、「♪竹の子のこのこのっこのこ」「一タケ!」「ニタケ!」・・というテレビでやっていたゲームをやり、罰ゲームとして飲んでいたら、見事空いてしまった・・。3時頃解散。いい酒だったようで、次の日には残らなかった。良かった、良かった。留学する機会は結局一度もなかったが、いつか一年ぐらい行ってみたい。行き先はやはりNZがいいな。ヨットをして、ラグビーを観戦して、ワインを飲んで、アウトドアーを楽しんで。NZに行ったら、人生観が変わるかもな。


■2003年11月4日 (火):インファナル・アフェア

夜、北島シネマサンシャインへ映画「インファナル・アフェア 」を観に行った。香港映画。マフィア、警察それぞれに送りこまれた潜入者の話。次の展開が読めないストーリーでかなり面白かった。トニー・レオンは「HERO」でもしぶい演技をしていたが、今回のもシブかった。日本でもジャン・レノみたいな「しぶさ」人気がでそうだ。アンディ・ラウは「武田真治」に似てるんちゃうかなと思ったが、これを話した皆にことごとく「似てへん」と否定された。ハリウッドでブラッド・ピット主演によるリメイクが作られるらしい。やっぱ、この「しぶさ」はトニー・レオンじゃないとあかんと思うがな。リメイクはたぶん失敗するだろ。


■2003年11月1日 (土):光応用同窓会 

居酒屋「日本一」で、光応用工学科の1998年入学者の同窓会。「平成10年会」という名前がついたらしい。大体みなさん内定が決まっていて、集まれるのはいまぐらいだろうということで、第1回同窓会をしようということになった。

 

光応用同窓会

入学当初は53人で、今回参加したのは35人。工学部なので大学院進学者が多い。今回の出席者の中で30人ほどが院生。5人ぐらいは、就職組で、県内におる人や県外から三連休で帰ってこれる人が集まった。来年には卒業したら、バラバラになり全国や、最近では海外へいきなり行く場合もあるし(特に中国や東南アジア)、こんだけ集まる機会はもうないであろう。学部の4年間の専門の授業はずーとこのメンバーだった。4年から研究室配属になってからは、研究室のメンバーとは毎日顔を合わすが、他の人と会う機会は激減した。大学で「光」という同じ専門を専攻していても、進路はてんでバラバラ。こんなとこでも多様性を感じる。この中から日本や世界のニュースになる人物が何人現われるだろうか。今から楽しみだ。「あ、あいつは確か・・」となるはずだ。2次会は白木屋。


 [裏白南風]


 

 

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