■■ 徒然書 ■■  2003年

  10月  
 

■2003年10月31日 (金):デジタル家電 

最近の産業界のキーワードは「デジタル家電」だ。代表は「新三種の神器」と言われる、薄型テレビ・DVD・デジタルカメラだ。ちなみに1950年代の元祖「三種の神器」というのは、電気冷蔵庫・洗濯機・掃除機である。1960年代には、カラーテレビ・クーラー・カーが「3C」と言われた。これらは耐久消費ブームの中心となり高度成長を加速させた。そしてITの次に現われたのが、今回の新三種の神器の「デジタル家電」であり、次の「ユビキタス社会」につながるのである。家電業界でも関西と関東で、デジタル家電による差がそのまま収益の良し悪しにつながった。「西高東低」である。関西ではシャープ、三洋、松下がデジタル家電で成功した。それに対し、関東の富士通、三菱、東芝、ソニーは軒並み収益が悪く、半導体の負の遺産を引きずったままで抜け出していない。ソニーは「トリニトロン」というブラウンカンのテレビの成功があったためか、薄型テレビでは大幅に遅れをとった。このため、巻き返しをはかるため、国内のリストラをするとともに韓国のサムソン電子と液晶パネルで提携するようだ。関東の中でも「選択と集中」を一早く進めたキヤノンは、やはりデジタルカメラで成功している。ソニーの例でわかるように「今日の勝者は明日の敗者」になりかねない。デジタル時代の企業の明暗を分けるのは「現実の状況に即して判断できる経営者の有無」であり、日本経済新聞の社説(2003/10/26)では、この「経営判断」について以下があげられている。

・顧客志向に基づく独自の事業モデルの創造
・経営資源の得意分野への集中
・素早い技術開発
・知的財産権の管理強化
・グローバル化の推進
・資本市場に顔を向けた財務戦略

ようするに、「大量生産でシェアを拡大」というこれまでのやり方ではダメなのである。大きく舵をきった経営展開が必要であるが、大企業ほど動きにくいし、ハイリスクをおかせない。デジタル家電に続き、また「ユビキタス社会」と同時に、ナノテクを使った燃料電池に太陽電池という「分散型エネルギー社会」が到来する。もちろん車はすべて電気自動車になり廃棄ガスはゼロ。電子力発電もなくなる日もやってくるだろう。さらに照明・画像表示の分野では、LCD(液晶)で韓国・台湾に抜かされたようだが、PDP(プラズマディスプレイ)、LED(発光ダイオード)、有機ELは日本が断然リードしている。このように、数多くの新技術が日本の独断場だ。これから「日本のモノづくり復活」がはじまる。


■2003年10月27日 (月):豪州W杯4[日本vsアメリカ] 

日本のW杯4戦目。大会前の大方の予想では、日本が勝てるとすればアメリカだろう、ということだった。しかし、W杯前の試合では日本はアメリカに大敗しているし、これまで3回しか勝ったことのない相手である。しかし、1、2戦目の勢いがあれば・・。今回も友達ん家で観戦。前半はアメリカが点を取っては日本が追いかけるという展開。右WTBの大畑は、今回「大畑らしい走り」ができる場面がなかったのだが、後半17分に彼らしいステップでディフェンスをかわしトライ!こういうのを見たかった!後半28分には26-27と1点差に詰めよる。さらに日本が敵陣で攻撃を続ける。こりゃー逆転勝利か〜!と盛り上がる。しかし、これまでの試合がそうであったように、残り10分は集中力が切れるのか、2トライを奪われ、ジ・エンド。結局スコア―は26−39だった。今回も惜しい試合だった。日本代表は、立ち上がりと残り10分にトライをポンポンと取られるのがパターンだ。やはりW杯ではなかなか勝てないなぁ。しかし、これまでのW杯よりも日本代表のレベルは格段にあがっているようだった。スクラムもそこまで押し込まれないし、低くつきささるディフェンスが良かった。とくにFW後列3人の動きが光った。サッカーの日本代表のレベルが一気に上がったように、きっと4年後の次回のW杯ではやってくれるだろう。


■2003年10月23日 (木):豪州W杯3[日本vsフィジー] 

日本のW杯3戦目。うちの家は19ch(大阪テレビ)が映らないので、ケーブルテレビのある友達の家で、缶ビールを飲みながら観戦。徳島はケーブルテレビの家が結構多い。これまで、スコットランド戦、フランス戦と強豪相手に日本はいい試合をしてきたので、今回も格上のフィジーだが、「これまでの勢いで行けば勝つだろう」という期待を持って応援しながら見た。

前半は先制されるものの、SOミラーのすばらしいドロップゴール(50m!)などもあり、13-16でわずか3点差。さらに日本のリードされてはいたものの日本の攻撃時間の方が長く押しているようにも見えた。

 

日本vsフィジー

しかし、後半はフィジーの一方的な試合。「フィジアンマジック」にやられ、13-41で完敗。日本にとってきつい日程での試合だったので、その影響がでたのかもしれない。これまでの日本の武器だった「低いタックル」は影をひそめた。キックでけりこまれた後のBKの処理にミスが多発した。ノッコンも多すぎ。うーむ、次は最終戦で、相手はアメリカ。1、2戦で日本が見せたすばらしいゲームを見れる事を期待しよう。

 

2011年度W杯開催の候補地に日本と南アフリカがあがっているそうだ。これは面白い展開になってきたぞ。しかし、8年後って・・・30代半ばになってるな。



■2003年10月20日 (月):人狼 

20日なのでツタヤでレンタルビデオ「オール100円」の日。今回は目にとまった「攻殻機動隊」と「人狼」というアニメ-ション映画を借りて、夜に観た。タイトルの名前は聞いた事があったが、全然予備知識は持っていなかった。両方とも絵が似ているなぁと思ったらやはり、「プロダクション I.G」てな名前の同じアニメーション制作会社だった。10年くらい前の漫画「機動警察パトレイバー 」の劇場版も手がけている。やはり。緻密な絵が似ている。3作とも簡単に言うたら、特攻警察の話。

 

人狼

攻殻機動隊」は近未来の話。ようわからんうちに終わってしまった。「人狼」は戦後の学生運動がさかんな時の話。こちらの方が面白かった。フランスで評判が良くて、それから日本で公開された作品だそうだ。一般的に「アニメ」と言われるイメージとは違う作品だった。これが世界に誇る日本アニメーションの力だろう。印象度では「千年女優」の方が良かった。


■2003年10月19日 (日):現代史 

池上彰っていうNHKの人が書いた現代史の本を読んだ。「そうだったのか!日本現代史」「そうだったのか!現代史」「そうだったのか!現代史パート2」という3冊。この現代史というのは、第二次世界大戦、冷戦、冷戦後の現在とつながる話。現在のニュースと関連して解説してあるので非常にわかりやすかった。断片的な事は知っていたが、通して読むと「流れ」がわかり面白かった。高校までの社会の授業では昔の話は詳しく習って暗記したりするが、現代史はほとんどさわり程度だった。現在、未来を考える上で重要なのは古代史よりも現代史なのではないだろうか。この3冊を高校の教科書にしたら、生徒の将来のためになるだろう。日本の政治も良くなるに違いない。第二次世界大戦中の日本軍、現在の官僚の共通点は「無責任な事なかれ主義、過去の経験だけを重視した経験主義、失敗から学ばない怠慢さ」だそうだ。なるほど。戦後の政党史なんかはもう無茶苦茶だ。与党だか野党だか湯党だか。炭鉱の労働運動や学生運動の話では知らなかったことが多かった。世界では、現在の不条理を説明するのに「冷戦」がキーワードだ。過去の失敗を繰り返さないためにも、過去それも現在に密接につながる「現代史」をもっと学ばなければならない。


■2003年10月18日 (土):豪州W杯2[日本vsフランス]

前回準優勝で、今回も優勝候補であるフランスとの試合。日本代表は前回のスコットランド戦で見せた勢いを今回も発揮。いや、スコットランド戦以上にいい試合だった。これまでのW杯で日本が強豪チームとやる時は、NZに100点以上取られた試合のようにぼかすかにやられる試合しか観たことがなかったから、今回のフランス戦はとても面白かった。前半は2トライをポンポンと決められ、このままずるずるいくんかとおもいきや、ペナルティーゴールを着実に決め、あざやかなトライも一本決め、4点差で前半を終わる。さらに後半はペナルティーゴールが決まり1点差!まさか、まさかと興奮したが、やはりここから実力の差がでた。ある意味スコットランド戦のパターンだな。低いタックルで防御が固く、これまでに見たことがない攻撃を優勝候補相手にでき、善戦だったことは間違いない。しかし、奇跡的な番狂わせにはいかなかった。残念。しかし、この勢いのまま行けば、残り2試合勝ちそうな日本代表だ!がんばれー!にしても、日本での豪州W杯の注目度は低すぎ。日本シリーズ中ということもあるが。W杯で印象に残る試合ができたら、ラグビーブームが起こるかもな。来年から京都に戻ったら、ラグビー観戦にいきやすくなるな。大学アメフトの試合と落合中日ドラゴンズもみたい。


■2003年10月13日 (月):おばあちゃんの家 

感動するという評判の映画「おばあちゃんの家」を観に行ってきた。場所は蔵本の映画館「平和ドルビー」。女性が監督(イ・ジョンヒャン)の韓国映画で、地元韓国では400万人という異例の大ヒットだったらしい。ソウルの都会っ子が田舎のおばあちゃんの家へ預けられるという話。この子がめちゃクソ生意気だって腹立つが、後半はめちゃめちゃ感動!これを観て泣かない人はほとんどおらんだろう。おばあちゃん役のキム・ウルブンは今まで映画さえも観た事がないという素人。だから、リアリティーがあったのだろう。「泣いてしまう」映画というのは久し振りだった。やっぱ、アジアン映画はええなぁ。この映画の評価は☆☆☆☆☆。満点だ。


■2003年10月12日 (日):豪州W杯1[日本vsスコットランド] 

前回優勝の豪州ではしまった「ラグビーW杯2003」。日本ではいまいち注目度が低い。日本の初戦は前回ベスト8の強豪スコットランド。前評判がよくなかったから、「大敗するのでは」と心配しながら見だした日本-スコットランドであったが、日本の執拗なディフェンスのプレッシャーでスコットランドのミスが続出し、途中までは接戦になった。負けはしたが、観ていて面白い試合だった。低いタックルがバシバシ決まるディフェンスはすばらしい!向井監督の東芝府中流の泥臭いディフェンスが浸透してきたのか。次回は強豪の仏だが、楽しみだ。
>日刊スポーツラグビー


■2003年10月11日 (土):座頭市 

北島シネマサンシャインで映画「座頭市」を観てきた。実は、タケシ映画を観るのは今回が初めて。タケシ映画と言えば、「やくざ映画」というイメージを勝ってに持っている。「面白かったで〜」という評判を聞いていたので、期待して観に行った。公開から一ヶ月くらいたっているが、結構な人が入っている。といっても1/4ほどだが。京都の時は満員映画館ばかりだったが、徳島ではガラガラが多い。観る時間帯にもよると思うが。おかげで好きな場所に座り、居心地良く観れる。「座頭市」は結局いまいちだった。登場人物のキャラクターはまぁまぁ良いのだが、殺陣では血が飛びまくり。腕も飛ぶわで、う〜むといったとこ。自分にはあわないなぁ。血が一滴もでてこなかった「HERO」とはえらい違いだ。最後のタップダンスだけは気に入った。日本の時代劇らしさがでたシーンが多く、外国人受けしそうな映画ではあった。勝新太郎の座頭市を見たい気はする。まぁ、そんなとこかな。評価は☆☆☆にしておこう。


■2003年10月10日 (金):高麗園 

今週末に電気電子情報学会の四国学会が愛媛であるんので、週レポは提出かと思いきや、金曜日の3時半からということに急遽決定。おいおい、予定狂うがな。夕飯は、焼肉が無性に食いたくなってバン、モーリーと沖ノ州の「高麗園」に食べに行く。ここはむかし家庭教師してたとこの知り合いのおっちゃんが「徳島で一番美味い肉の店につれてったるでー」というて連れてってくれた店だ。今回で4回目。いつもは人でいっぱいだが、6時開店のとこへ6時すぎに行ったので一番乗りだった。最近は魚・大豆(納豆、豆腐、味噌)・ヨーグルト中心の生活やから、たまに肉を食べるのもいいだろう。


■2003年10月9日 (木):俺龍 

来期の中日監督に落合氏が決まった。「俺流」の落合野球はどーなるかは見物。今のドラゴンズはナゴヤドームに対応するようにした「星野野球」が基本になっているから、大きく変わる可能性がある。投から打のチームに変貌するかも。かつてそーだったように。「現戦力で優勝できる」。落合氏が言うように、現在の中日の弱点は四番打者であり大砲だ。他は優勝する戦力は整っている。実際ここ数年の成績をみればわかる。「日本人の4番を育てる」。ぜひそーしてほしい。候補者は森野とか筒井とかに期待できるんちゃうかな。落合効果による来期の大化けを期待しよう。福留は化けなくても、もう貫禄の域に入ってきた。こーなってくると来年のドラゴンズは強いぞ。さてさて落合監督の「俺龍采配」は、打者起用はいいとして、投手起用がちと心配だな。星野監督時代の山田コーチのように有能な投手コーチがついてくれたらいいのだが。対照的に巨人は原監督の解任に続き、一軍コーチスタッフが全員辞任した。渡辺オーナーとのゴタゴタは来期に響くだろう。一番たいへんなのは選手だ。堀内新体制になって、大量解雇やトレードが噂されているし。選手のモチベーションの方は大丈夫なのだろうか。まぁ、なんともあれ今後、中日ドラゴンズがどんなチームになるか楽しみだ。
毎週木曜日は高3家庭教師の日。今日は兄貴のを見た後、高2の弟もちょいとだけ数学をみる。数学は、まず「途中過程」を書けるようになるのがはじめの課題だな。 ちなみに今日のテーマは「指数関数」だった。


■2003年10月7日 (火):ノーベル賞

今年もノーベル賞の季節がやってきた。昨年は小柴さん(物理)と田中幸一(化学)さんのダブル受賞で社会現象までになった。今日は夕方6時に物理学賞の発表。中村修二がノミネートされているから、受賞の期待がふくらむわがF研。受賞がきまれば学長、工学部長、F教授が記者会見を開くという予定らしい。発表の時間が1時間をきったときに、学部の部屋へ朝日新聞の若い記者がきていたので、中村修二が昨年徳大で講演を行なった時の話をあーやこーやとする。この記者が青色LEDの知識をもってなかった上、中村修二の本を読んでないようだったので話が伝わりにくかった。発表の時間がきてノーベル財団のHPをみる。結果は、今年も残念修二!ってなことだった。"for pioneering contributions to the theory of superconductors and superfluids " 「超伝導と超流動の理論に関する先駆的貢献」というのが 今年の受賞理由で米国人と露国人がとった。中村さんは「ノーベル賞を取るのは間違いない」と言われているのだが、問題は「いつとるか」だ。特許をめぐって裁判中というのも影響しているのかもしれない。F教授の退官は後5年。毎年続くスタンバイ。受賞か退官、どちらが早いだろうか。このままいくと、忘れたころに・・ってなことになったりしてな。


■2003年10月6日 (月):討論

テレビタックルなど政治討論はみてて面白ことは面白いが、言い合いになっていて「ディベート」になってない。お互いわぁわぁいいあって議論がかみあわない。まぁ、司会者も話がかみ合うように進行せなあかんのやけど。日本は小学校からディベートの練習をしないからなあ。大人になっていきなりできる訳がない。政治をよくするためには、ディベートで意見を主張して議論を戦いができる技術を義務教育から訓練しなあかんのちゃうかな。ハマコーは嫌いだ。しかし、これがテレビ局の狙いだろう。悪役は悪役らしく・・。


■2003年10月3日 (金):英雄

この前観た映画「HERO」を再び観に行った。夜7時からで、場所はアーケード街の松竹。これが最終上映で、明日からは違うのがはじまる。「英雄外伝」のDVDを観て、チャン・イーモウがどんな「武侠映画」をつくりたいのかを語ってるのをみ、もう一度映画館でみときたくなった。やっぱ、映画館と家では迫力が全然違うからね。「武侠映画」ってのは中国独特の映画だ。中国で大ヒットした理由がわかる気がする。また、この映画は「詩的」で、映像が美しいし、音楽もいい。このような映画をみると、最近の米映画が浅く観えてくる。今後も、「HERO」のような製作者の意図がビシバシ伝わってくるような中国映画や邦画がでてくることを期待している。この映画の評判は色々言われているが、ワイヤーアクションが現実とかけ離れているとか、ストーリーが単純だとか「表面的」なとこだけをみる人には面白くないのかも。逆に最近の米映画はこの「表面的」なとこで勝負しているように見える。「HERO」は、はまる人と、全然面白くなかった人ってな両極端に別れる映画だろう。 評価は☆☆☆☆☆。最近は中国映画にはまりぎみ。もうすぐしたら、コン・リーの「たまゆらの女」の上映がある。面白いという評判である、たけしの「座頭市」も観にいきたいなぁ。


■2003年10月1日 (水):内定式

朝11時からD社の内定式。場所は烏丸御池の本社。いよいよ社会人の第一歩だ。同期がどんなメンバーがいるか楽しみだった。 毎年10人前後しか採用していないのに、今年はなんと40人採用!研究がメインの会社だから、今年は一気に研究者を増やすらしい。今日は大卒以上29人が集まった。ドクター2人、マスター24人、学部3人。女の子は2人。出身大学は関西を中心に様々であったが、徳島大学院(化学応用)がもう一人いたのは驚いた。人事部長から一人づつ内定書を受け取り、提出書類の説明があった。簡単な自己紹介の後、 会社の保養所にタクシーで移動して、座敷で昼食会。スキ焼きとちゃんこ鍋があって、どちらにいくかはクジで決まった。昼間からビール飲んでスキ焼きが食えるとは思わなかった。途中から再び自己紹介があり、皆の顔を覚える。なかなか、濃い性格のキャラクターが揃っているようだ。解散した後、3人で京都駅のスタバで珈琲を飲んで酔い冷まし。5時ごろ実家に帰る。 次のステージは再び京都で、半年後の4月1日に始まる。


 [裏白南風]


 

 

[徒然書] total :
access
(today :yesterday